
なぜ、スソなのか。
スソの前に環境問題について少し僕の考えを。
環境問題に関しては、何がホントに良い事なのか分かりずらい。
例えば、リサイクルも環境に良くないかもしれない。
(ペットボトルはリサイクルするより、新しく作った方がエネルギーがかからない。らしい)
リサイクルを否定するわけではありませんが、要は「善悪の判断が難しい。」と言う事。
確かなのは「消費しない事。」
全く消費をしないのは現実的ではないので、出来るだけ消費しないで生活しようと。
使い捨ての物は買わない。中古品を買う。など。
カバン屋になってしばらくして、「消費しない事」と「カバンを売る事」の矛盾にぶつかりました。
カバンを売る事は「消費を促す事」だからです。
困った一針さん。リサイクルの生地で何か使える物はないか。
トラックの幌や使えなくなったゴムボート、あれこれ試すもビビッとくるものは見つかりませんでした。
あらたな素材を探す日々が続いたある日、ハッと思いついたのです。
そしてすぐにジーンズショップへ行き、こう言いました。
「スソ下さい。」
当時は富良野で活動していたので、一件だけのスソを分けてくれるジーンズショップに通いました。
しかし、頻繁に行き過ぎたのか、ある日を境に分けてくれなくなってしまいました。
「スソで作っている」と言うと、「タダで手に入るし、良い事思いついたね〜」なんて言われますがとんでもない。
お金を出せば手に入る物ではないので逆に大変です。
殆どのスソが廃棄されるにも関わらず、「うちはそーゆーのやってないですぅ」と言われて分けてもらえない事も多い。
現在でも充分なスソを確保出来ずにいます。
本州から送ってもらう事もありますが、出来れば札幌市内でまかないたい。(地産地消)
ある人にこんな事を言われた事もあります。
「スソなんて集まらねーだろ!そんなの止めてジーンズ生地仕入れてスソっぽく作っちゃえばいーんだよ!」
こんな大人にはなりたくないもんです。
あと良く間違われるのは、履き古したジーパンで作ってると思われる事です。
スソで作るのと、ユーズドジーンズで作るのは、僕の中では全然違います。
ユーズドジーンズで作った場合、一番怖いのはこんな事態です。
(ジーンズリメイク自体を否定するつもりはありません!)
新しく欲しいジーパンがある。「いま履いているジーパンはまだまだ使えるけど、
一針に頼めばバッグにしてくれるし、買い替えるか。」
スソは新品だけど捨てられてしまうところに意味があるのです。